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みにくいあひるのこ 1/6

 いなかは、なつの まっさかりです。

 こむぎは きいろく みのり、からすむぎは あおあおと のびています。

 もりの なかでは、たくさんの ことりたちが にぎやかに さえずっていて、まるで もりが うたっているようです。

 この もりの そばに、あかい レンガで できた ふるい うちが ありました。

 うちの にわに、ちいさな いけが ありました。


 この おはなしは、この ちいさな いけの ほとりから、はじまるのです。


 いけの ほとりの くさむらに、あひるのすが ありました。

 そこでは、一わの あひるの おかあさんが すわって、たまごを あたためていました。

 「ずいぶん ながいこと こうしているので、すっかり つかれてしまったわ。

 はやく、こどもたちが うまれてくるといいのに……。」

 おかあさんあひるは そういいながら、おおきな あくびを しました。


 とうとう たまごが、一つ また一つと われてきました。

 「ピイ、ピイ。」

 かわいい なきごえを あげながら、こどもたちが、ちいさな あたまを だしました。

 ところが 一つだけ、いつまでも われない たまごが ありました。

 「どうしたのだろうね? ほかの こどもたちは、げんきに あるきだしてるというのに。」

 おかあさんあひるは、そういいながら なおも あたためつづけていると、やがて、

 「ピイッ!ピイッ!」

 おおきな なきごえを あげて、こどもが あたまを だしました。

 けれども、そのこは とっても おおきくて、ひどく みにくい かっこうを していたのです。


 「まあ このこったら、ちっとも わたしに にていないわ! まるで しちめんちょうの こどもみたい。」

 おかあさんあひるは、いやな かおをして いいました。

 「でも いいわ、そのうちに わかることだから……。さあ こどもたち、おかあさんの あとから ついておいで!」

 おかあさんあひるは こどもたちを あつめると、バシャン! と いけに とびこみました。

 ポチャン、ポチャンと こどもたちも とびこみました。

 さいごに、ボチャン! と みにくい あひるのこも とびこんで、すいすいと およぎだしました。


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